【狂51】新興宗教と資本主義

94/12/22

■まずおわびです。前回の狂電でレイアウト上のミスで、「オーム社書店」が「オウム真理教」と関係がありそうな記載になっていました。現在、私が知りうる限りでは両者は全く関係ありません。また「オーム社書店」の筆記が「オウム社書店」となっているのは、明らかな誤りです。謹んで訂正いたします。

■マハーポーシャとオウム真理教がきってもきれない関係にあるということは、前回の狂電で明らかにされましたが、彼らは東京各所でラーメン屋も経営しているそうです。京都で謎のスーパーマーケットを開いたり、坂本弁護士一家の夜逃げを手伝ったりと、彼らはいろいろなお仕事にたずさわっているという感じですね。

■原理みたいにただ同然の壷にむちゃくちゃな値段をつけて売っているのに比べれば、オウム真理教のなりわいは、けっこう地味な仕事ではあります。ATコンパチのマシンも、とりあえずちゃんとしたもののようですし、あれだけ安売りをしていたら利鞘も多くはないでしょう。

■しかし、さらによく考えてみれば、オウム真理教あるいは(株)マハーポーシャが、あの街頭で新聞配りをしている人にアルバイト料を払っているとは到底考えにくいし、おそらくあれはかれらの修行の一環かなにかのように見受けられます。それどころかコンピュータ作ってる人もボランティアの可能性があるわけで、いってみれば人件費タダ。これは強い。

■今後さまざまな新興宗教が産業界に進出して来る恐れがあります。かれらは相当、競争力があるはずです。なにしろアジアやアフリカよりも安い人件費(タダ)で人が使えるのですから。とりあえず私はここでこれらの宗教団体を新興産業宗教(NIRS)と命名しておきます。そういえば、お金のいらない楽しい村がキャッチフレーズの「ヤマギシズム」も農業版の新興産業宗教かもしれません。お金がいらないから人件費タダだし。

■さて新興産業宗教が儲けたお金は、ある程度は教祖や指導者のところにいくのでしょうけど、そうそうひとりじめにもできないはずで、結局は広く浅く信者たちに再分配されると考えられます。宗教化されている人々は、おそらく私有心や独占欲もわれわれ以上にコントロールできているはずなので(だからこそタダ働きもできるわけで)、おのずと各自が必要に応じて欲しいものをとるといった秩序がつくられていることでしょう。

■これって、もしかして「共産主義」にものすごく近い社会じゃない?そして、このての小さな擬似共産主義システムは資本主義経済のなかで非常に競争力があり、ちかい将来、産業界を席捲するかもしれないとしたら・・・。そうなるとどうなるのだ!いろんなものが安くなるのか?賃金労働者が失業するのか?

だれか教えてくれ・・・。だれか。


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