[KOK 0250] こくら日記のトップページにとぶ 15 Feb 2005

NHKは不健全か

 

皮肉ではなく、NHKは不払いというオプションが可能であるぶんまだ健全かもしれないと思う。すくなくとも少数の広告主に実権を握られているほかの放送局よりは。

もしこれが税金でまかなわれる国営放送であったらさらにたちが悪い。現行法では税金の使い道を選ぶことはできないし、放送を見たくないからといってその分だけ不払いをすることもできない。

税金もまた、支払うときに政策を選択できるシステムをとれば政治は多少なりとも健全になるだろう。たとえば私の税金のうち半分は教育に使ってほしいとか、軍事費には一切使ってはならないとか(良心的軍事費支払い拒否ね)。納税者が事前にあるていど使い道を指定するのだ。(本当はそのために選挙があるんだけど、多数与党総取りのシステムでは個人の多様な意志はほとんど政策に反映されない)。

そもそも、お金を払った人に選択権がないサービスなんて変な話である。これって行き先不明のミステリー列車?呼び込みばかり元気な肩すかしの見せ物小屋?

営々たる人類の歴史から学ぶべきは、「あらゆる権力は腐敗する」という教訓である。これは魑魅魍魎が跋扈する政治の世界で唯一の真理といってよいだろう。だから絶対的な正義や善政をもとめるよりは腐敗したときにそれに対抗できる手段を持つシステムを採用した方がずっと現実的なのである。対抗手段を持つシステムは仮に腐敗しても健全なのである。

民主主義なんてのはもともとそんなアナーキーなシステムだったはずだ。たいくつな民主制は腐った王制よりもたちが悪い。腐った王制は王を倒せばよいが、風通しの悪い民主制は誰が悪いのかよくわからない。というわけで、「不払い運動」こそ次なる資本主義経済のダイナミズムであると私は考えるのである。「不払い運動」の詳しいノウハウについてはまたいずれ。


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