マスタードパーティ

[KOK 0205]

31 May 2002


先週の日曜日は八女にいった。八女には「繁桝」というお酒を造っている有名な蔵がある。その蔵が10年以上前から近くの山中の洞窟に大吟醸を貯蔵しており、それを毎年飲もうという「100年蔵」の企画に参加したのだ。

杉林下の伏流水がながれる天然の石室の中で、とびきりの吟醸酒はまろやかに熟成していた。人が一人ようやくは入れるくらいの穴の中から、今年飲む分を丁寧に取り出すと、石室はまた封印された。

さっそく蔵に持ち帰って酒を味わう。口当たりの良さと個性が際だつ複雑な味わいは、さすがに古酒である。少し老ねてはいたがそれもまた味のうちで、意外なほど香りがしっかりしていたのが印象的だった。

まだ残りの90年間、毎年この企画は続くのである。楽しみである。

古酒ではないのだけれど、できたてほやほやの袋吊り大吟醸のしずく酒、その中でも一番濃厚な部分を一升瓶わけていただいた。それがいま冷蔵庫に眠っている。

さて、大学の近くの紫川の河畔は春になると菜の花が満開になる。この菜の花、正確にはアブラナではなくてカラシナなのである。ちょうどトウがたち種がこぼれはじめたので学生たちと集めに行った。

種をかむと香りと一緒に鋭い辛みが舌をさす。これをつぶせばマスタードができる。

うまい日本酒とマスタード・・・。なんとかこれを組み合わせられないだろうか。そう考えて急遽企画したのが、手作りソーセージとカラシナそして大吟醸を堪能する、贅沢なマスタードパーティである。なんと、こういう日のためにうちには手動のソーセージメーカーがあるのだ。

来週3日月曜日の4時頃から小倉の龍風亭にて。ソーセージ作りから始めて、6時に食事、9時終了の予定です。

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Takekawa Daisuke