バヌアツに行ってきました。

[KOK 0195]

05 Mar 2002


ブリテン島での暮らしを終えた後、バヌアツに行っておりました。バヌアツ共和国はとてもすてきな国でした。旅好き、島好きのみなさんには絶対におすすめの場所です。

バヌアツ共和国は太平洋に浮かぶメラネシアの国です。ガイドブックなどではしばしばバヌアツという国名を「われわれの国土(島・土地)」と訳していますが、どうもそれは誤訳ではないかと思います。オーストロネシアン系の現地語でわれわれの国ならばバヌア・ク。これは独立運動を指揮した政党の名称です。そしてバヌア・ツとは国が立つという意味。イギリスとフランスによる共同統治という植民地状況の中で、独立を勝ち取った誇り高き国名です。

バヌアツの物価は日本並みに高いけど首都のポートビラにいる限り非常に安全で何の不自由もしません。すでにオーストラリア、ニュージーランド、フランス、イギリスからはたくさんの観光客が訪れています。太平洋の穴場的観光地として今後かなり人気が出るだろうと思います。

すてきなリゾートもありますし有名なダイビングスポットもあります。安宿の旅が好きな人には1500円から宿があります。首都を離れいくつかの島を巡れば、メラネシア文化を満喫できるツアーもたくさん用意されています。いまどき下手にバリ島やプーケット島なんかに行くよりはよほど満足できると思います。

もっとも人類学者の私は、こうしたツアーやリゾートとはほとんど無縁でしたし、実際のところあまり興味はありません(どちらかというと批判的かな)。ただバヌアツをとおして少しでもおおくの人にメラネシアの雰囲気を知ってほしいとは思っています。バヌアツは現地の人と生活をたのしむ一人旅にも向いています。

私は首都の安宿を拠点に、絶壁に閉ざされた孤島フツナに滞在しておりました(地図で探してみてください、さて見つけられるでしょうか?)。バヌアツの中でももっとも辺境の地のひとつです。もちろん観光客が泊まるような宿はありません。首都でできた人脈をたよりに島のチーフの家に泊めさせてもらっていました。

島の人々にはとても親切にむかえいれてもらい、とても充実した日々をおくることができました。太平洋に取り残されたようなこの小さな島でいかに人びとが生きてきたか、興味深い話や学ぶべき事実がたくさんありました。二年間のブリテン島での生活よりもわずかひと月あまりのバヌアツの印象の方がずっと強烈なのはなぜでしょうか。

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Takekawa Daisuke