ひさしぶりの京都

[KOK 0145]

23 Mar 2001


ひさしぶりに京都に行った。しかも日帰りだ。来週にはイギリスに出発だというのに無茶な話だ。出発までに終わらせなくてはならない仕事を持ち込んで新幹線に乗った。新型ひかりレールスターの指定席の一番前にはコンセントがあり電源をとることができる。実はこの文章も締 切り原稿の合間に書いている。長野から東京まで新幹線で通勤している友人の ことを思いだしながらキーボードを打つ。トンネルにはいると揺れて困る。

小倉と京都の間の所要時間は2時間45分。朝、北九大でひと仕事終えてから京都に向かった。10時に小倉をでた、2時に京大に着いた。こちゃこちゃこちゃっと仕事をすませ、6時に京都をでた。9時すぎには小倉に着くはずだ。

ほんとに短い滞在だった、時間の余裕はほとんどない。それでも不思議なことに、体が京都の町を完全に覚えている。駅の乗り継ぎも、とっさのバスの選択も、どこになにがあり、誰がいるのか、そこまで何分ぐらいかかるのか。寸分のロスもなく体が動く。小倉に来てもう5年になるが、まだ小倉の街をこんな風にさばさばと歩けない。

研究室には昔の友人たちが、昔と同じようにゼミ室にたまっていた。昔と同じように机の上に腰掛けて足をぶらぶらさせながら雑談する。これも体が覚えている。「じゃあ」といって部屋を出た。

もわっとした加茂川沿いの春の陽気。これも体が覚えている。しっかりと覚えている。一番好きな季節だった。

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Takekawa Daisuke