[KOK 0247] こくら日記のトップページにとぶ 20 Dec 2004

やすものサンタ

 

科学中心主義のもとで育ったわたしのこどもたちは昔からUFOや幽霊を信じない。自然の複雑さや合理性には驚きや関心を示すかわりに、超自然的な存在は神であろうと悪魔であろうと、しょせん人が頭で考えた迷信だと一蹴する。

スタードームイルミネーション

そんな彼らであるから当然サンタクロースの存在を疑っていたわけであるが、それはすでに数年前のことである。そもそもうちは異教徒であるからキリスト教の聖人は来ないのだといわれつづけながら、どういうわけだか12月25日の朝になるとプレゼントが枕元に届けられていた。したがってここ何年かは、存在論的懐疑をすっかり棚上げにして、自分たちの実利を優先している。

さて、毎年なにがほしいのかをサンタクロースに伝えるのはわたしの役目である。サンタクロースには電話かインターネットでフィンランドに連絡を入れることになっている。今年もぼちぼちそんな時期が近づいている。

スタードームイルミネーション

昨日のことである、10歳の娘が言った「いいことがわかったんだけど」。
「なに?」とわたし。
「サンタさんの連絡先」
「ふうん」気のない応対。
「だいちゃんにもなにか頼んであげるよ、なにがほしい?ほしいもの言って」
「えっ!」そうきたか・・。「なんでもいいの?」

そういって考えはじめるわたし。ほしいものはなんだろう。本かな、でも読みたい本は自分で買う。お酒というわけにもいかないだろうし、4ギガのメモリ・・・ちがうちがう。思わず真剣に考え込んでしまう。

そんなわたしを見て少し不安を感じたのか、娘は
「高いのはダメだよ、連絡先を知ってるのは、やすものサンタだからね」
世界にはいろいろなサンタがいるようだ。

スタードームイルミネーション


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