造反有理

[KOK 0027]

24 Dec 1996


12月23日づけの朝日新聞によると、日本に出稼ぎ中のペルー人に対して、投石や解雇など嫌がらせがあいついでいるという。最低である。

この報道の背景に関する情報は不十分ながら、日本人ならそれくらいのことを、やりかねないと思えてしまうところが悲しい。ここは、最低の国だ。ことあるたびに他者と少数者排斥してきたこの国の人々は、関東大震災のころから少しも変わってはいないのか。

しかも、ペルー人といいながら、相手は日系人だったりするから、なおのこと絶望的だ。ペルーで人質事件が起きからといって、ペルー人を排斥してよいのなら、日本で地下鉄サリン事件が起きたという理由で、日本人を排斥するのもかまわないのだろうか。

日本の報道機関にもいいたい、人道的問題をどうのこうのといったり、今後の展開したり顔で予測する前に、もっと報道すべきことがあるだろう。トゥパク・アマル革命運動(MRTA)とはどういう組織なのか、なにをめざしているのか、もっと知りたい。オウムの時もそうだった。オウムがどんな組織で、なにを目的とし、なぜいまだにおおくの信者を惹きつけるのか、もうすこしまじめに調べてくれ。

日本に入ってくるわずかな情報を手がかりした結果、わたしはMRTAに共感した。きわめて理路整然とした、紳士的な集団ではないか(笑)。ペルー政府もぜひ彼らを合法化してやってほしい。もちろん、獄中のゲリラを解放して。そう、テロに屈すればよいのである。追いつめられればいくら紳士的な人々にも限界はある。

まえまえからいうように、わたしは左翼ではなく、(少数)民族主義者である。しかし、どちらもマイノリティーを支援するという点では、共闘が可能であると考えている。造反有理だ。MRTAもあれだけのことをする以上、それなりの覚悟はできているはずだ。しかしそれでも、事をおこさなければならなかったとしたら、その理をすくいあげねばなるまい。

日曜日に雨が降ったからといって、選挙にも行かない連中に、やむにやまれぬ彼らの政治活動を批判してほしくない。もちろんわたしは、多数の暴力をその理論的背景にもつ民主主義には、とうてい同意できないが、合法的な活動で政治がかえられるのならそれを利用するのも悪くはないという、日和見主義者だ。

がんばれMRTA。わたしでよければ人質になろう。そのかわり、大使公邸内で論文を書くのを許してくれ。

p.s.満月のクリスマスイブ、研究室の窓から夜空をみながら・・・。

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Takekawa Daisuke