22 Jun 1999
■からかわれるのがいやだからずっと隠していたけど、今年の春から子供の幼稚園の「父母の会」の会長をしている。およそ長がつく仕事ほどぼくに似合わないものはないし、だいたい、よほどの鬱かよほどの躁でない限りこういうことは引き受けなのだけど・・・。
■いいわけはある。その幼稚園の園長とは、たまたま以前に飲み会でいっしょになったことがあり、そのとき意気投合したのだが、まさか自分の子がその幼稚園に入るとは知らなかったしぃ、ぼくの実家は幼稚園をやっていて、幼児教育にまつわるいろいろな問題については、つねづね考えてることがあったからぁ・・・、みっともないので、もうよそう。要するに、そんななんとも不似合いな役を引き受けてしまったわけだ。
■会長といっても実は名ばかりで、こまごまとした仕事はみんな副会長以下執行部やクラス委員のお母さんたちにまかせてしまっている。だったら、こんな名誉職のような会長なんて廃止すればいいと思うのだが、その幼稚園では代々父母の会の会長は男性がやっているからそうもいかないのだという・・・うむ。
■役を引き受けるときには、ぼくが会長する以上ただではすみませんよと、園長をおどしてみたものの、実際には日々の仕事が忙しくて、例年どおりの置物会長におさまっていた。
■そして、このごろだんだん解ってきたのだが、そもそも父母の会の役員を引き受けるような女性たちは、みな専業主婦である。そのうえ、ひとなみ以上にボランティア精神があったりして、さらに地域の子育てサークルとかにいくつも入ってたりする。だいたい昔からむれたりつるんだりする仲良しグループとはとかく相性が悪かったぼくとしては、わりと苦手なタイプである。
(ねんのために補足しておくと、仲良しグループそのものが悪いのではなくて、仲良しグループの排他性ね、それが苦手。この排他性の問題についてはいずれ稿をあらためて書こうと思う)
■このあいだの役員会の議題はバザーについて。バザーではお母さんたちの手作りの服だの人形だのを売って、子どもたちの観劇の費用にあてるらしい。簡単に決まるのかと思えばそうではなかった。すべての女性が裁縫を得意なわけでもないし、仕事が忙しくて手伝えない人もいる、バザーの作品作りは半ばノルマ化して役員の負担になっているという意見がでた。
■それに対して、こういう時代だからこそ手作りの良さを子どもたちに伝えたいし、いっしょに物を作ることによってお母さんたちのつながりもできるという意見もでた。あとでわかったが、これはどうも毎年問題になっていることのようである。
■どちらももっともだと思ったけど、ちょっと前者の意見に肩入れして、どうせなら今風のリサイクルガレージセールにしたらどうですか、なんて不用意な発言をしたら、幼稚園サイドから艦砲射撃された。いろいろ意見は出たのだが、結局、バザーは例年どおり手作りで、「ああそうなの」というような結論。
■なんとも影のうすい会長である。そして、そんな会長が執行部の女性たちそっちのけで、ヤケクソになってひとりで持ち出した企画がこれ。
世間では男の子育てとか男女共同参画社会とかいわれているけどよくわからん。仕事が忙しくてこのごろ子供の寝顔しかみてない。仕事を離れたつきあいもめっきり少なくなった。とりあえずそんなオヤジたちで集まって酒を飲もうという会です。共通の話題は「オヤバカ自慢」それにつきる。7月2日 (金)よる7時から |
■こんなとんでもない紙切れを子供のお便り帳を通して、幼稚園中に配ってしまった。どうかしてる。日照時間が一年で一番長い今だからできることだ。
■飲んでるうちになにか面白いことがはじまるかもしれないし、なんにもはじまらなくてもオヤバカしてるだけでいいじゃない。ほんとは勝手にどっかの飲み屋でやるつもりだったのだが、園長が幼稚園を使ってくれというから借りることにした。
■ここ三年ばかり九州に住んでみた感触で言えば、たぶん、ほとんどだれも来ないと思う。これが関西なら一升瓶もってへんなオッちゃんとかが出てきそうなものだが(じゃりんこチエかいな)、九州の男の人って家や会社では元気だけど対外的にはみなシャイな感じ。特に初対面に弱いとみた。よくいえば慎重。一回目はたぶんパスで、二回目がもしあれば奥さんからちょっと噂なんかを聞いて情報を仕入れてからぼちぼち参加、そう読んでいる。
■だれも来ないイベントなんて、はじめなきゃよかったけど、まあいい。だれも来なくても、ぼくはひとりで飲む。今年の花見といっしょだ。でも、暇つぶしにからかってくれる人、だれかのぞきにきません?
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